知っておきたいイスラム金融
イスラム金融とは
イスラム金融とは、イスラム法(以下「シャリア」)に基づく金融の総称です。シャリアにかなっていることを、英語で「Sharia compliant」と呼び、日本語では「シャリア適格」と呼びます。
イスラム金融の大きな特徴として、以下の2点があります。
特徴その@・・・.金利の概念がない
イスラム教の経典コーランは金利(以下「リバー」)を禁じております。シャリアでもリバーの受け取りを禁じているため、イスラム金融ではシャリア適格とするために金利という概念がありません。
特徴そのA・・・金融取引に関する事業がシャリアにかなっていなくてはならない
金融取引に関連する事業がシャリア不適格とみなされてはいけません。(賭博、武器、豚肉、アルコール、ポルノなど)
リバー(金利)とシャリア適格(Sharia compliant)とは
シャリア(イスラム法)で禁じられているリバー(金利)とは、金銭を他者に預けただけで、何も仕事をせずお金が増えて戻ってくるような、いわば「不労所得」のようなものです。これに対し商品の売買、事業へ投資など実態を伴う投資を行い、その利益によって資金が増加すれば、それはリバー(金利)には当たらずシャリア適格な金融取引と解釈します。
この考え方があるため、イスラム金融ではリバー(金利)は禁じられておりますが、イスラム金融以外の一般的な金融の金利に相当する部分は存在します。
シャリアで禁じられているのは、「ガラール・・・契約の不確実性」「マイシール・・・投機・ギャンブル」「ハラール・・・豚肉や酒などの禁忌事項」などで、これらの観点からシャリアボードがシャリア適格かどうか判断を下します。
なぜ昨今イスラム金融が注目されるのか
中東圏経済は「オイルマネー」により活況があります。投資先を求める中東諸国の動きが、イスラム金融への関心を高めています。またドバイなどの中東諸国では現在不動産の大型開発が相次いでおり、それら事業者の資金調達手段としても、イスラム金融の利用が伸びております。
2008年秋の米国のサブプライム問題に端を発する世界規模の不況の影響を受けないという点も、投資対象としてのイスラム金融商品への関心が高まっています。 イスラム金融の市場規模に公式統計はありませんが、資産運用総額は3000億ドル以上とされ(米ブルームバーグの報道)、現時点での市場規模は約1兆ドル(米スタンダード・アンド・プアーズ社の推計)で、潜在的な市場規模は4兆ドルを超えるとされています。また2007年1月開催の国際協力銀行主催イスラム金融セミナーでも、クアラルンプールが本拠のイスラム金融サービス委員会(IFSB)のカリーム事務局長が、「イスラム金融の資産総額・・・銀行部門だけで3000億ドル超、年率15%の割合で増加している」と言及しています。
実態こそつかみにくいイスラム金融ですが、その規模は確実に拡大してきています。
世界のイスラム金融センターとなっているマレーシアとバーレーン
現在、世界のイスラム金融の中心的な市場は、マレーシアとバーレーンです。
マレーシア
マレーシア人口の約6割のマレー系住民はイスラム教徒です。1980年代から国策としてイスラム金融振興に取り組み、93年にはイスラム金融専業銀行以外の一般的な銀行に対してもイスラム金融業務を解禁し、2004年には中東の外資銀行3行にイスラム銀行免許が付与され、マレーシアは世界のイスラム金融センターとして機能しています。なお、2007年3月に公表された「イスラム金融研究会」報告書に掲載されたバンクネガラ・マレーシア(マレーシア中央銀行)の資料によると、銀行部門の総資産に占めるイスラム金融資産の割合は97年の3.5%から2005年時点には11.7%に増加しています。
バーレーン
バーレーンは、1970年代から中東の国際金融センターとして機能していました。1978年に最初のイスラム銀行としてバーレーン・イスラミック銀行が誕生しましたが、80年代のイスラム金融市場拡大はゆっくりしたペースでした。90年代2000年代はオイルマネーが拡大と共に急速に拡大し、2006年にはバーレーン拠点のイスラム金融機関数は27行に達しています。
欧米では英国がイスラム金融に対して積極的な取り組みをみせています。具体的には2003年以降、イスラム金融に不利な法律・制度の改正が進められており、2005年ごろからイスラム金融の市場が活発化しています、新聞や出版物でも、米国やドイツなど他の欧米諸国でもイスラム金融の存在感が徐々に増していることに言及されています。
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